matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

知らない人がいる

一人住まいの父に昼食を作ったあと
母のところに行きました。

すると
なんかグループホームのリビングには、
大勢

一人に一人づつくらい介助者がいる。
一人で食事をしていた母は
それだけでも機嫌が悪かったのか
私を無視

そばに行って
「スカビちゃんですよ。孫の方が良かった」
って冗談まじりに言うと(ちなみに母はジョーク大好き)

「解っているわよ。なんか今日は知らない人がいっぱいいるのよ。
知らない人がいるって嫌でしょ」
ですぐに

前に座っていた人に
「知らないんですけれど、どなたですか?」
って聞いたんです。
すると
「あら、一子さん、もう一週間も来ているじゃありませんか?」
って言うんです。
母は知らないからって咎めた訳じゃないんですが、
知らない人がいると不安なんです。
母は続けて
「お名前教えて下さい」
って言ったんです。
すると
「4月からボランティアで来ているんですよ」
私は家族会で傾聴サービスのボランティアが来るって聞いていましたから
ああ、そうかって思いましたが
母は機嫌をそこねて
「この人嫌い」って言ってしまいました。
私は
「母は、あなたのお名前を覚えたいのですから、お名前を教えて下さい」
と言いますと
やっと名前を教えてくれましたが、
もう母はへそを曲げて
覚えられないと言いながらも
名前を繰り返していました。

しばらくすると新人の正義のヒーローくん(自称)がやって来ました。
遠目に見て
母が
「あの人は知っている気がする」と言いますので
名前を教えていますと
他の人の介助を一時中断して
「一子さん。ボクはヒーローと言いますよ。よろしくお願いしますね」
と一声かけてくれました。
母は
ずいぶん若いのね。まだ坊やだわね。なんていいながらまんざらでもない様子

人によって違うのかもしれないけれど
認知症になって10年ほど経つけれど
未だに人の名前が気になる母でした。