matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

母さま逃走

警察の一室で
母は、赤いお財布を握りしめて、目には涙をいっぱい浮かべていました。
 
母「もう家へは帰れない」
 
私「いいよ。いいよ。帰らなくて」
 
母「あなたんちに泊めてくれる?」
 
私「いいけど・・・父さんは?」
 
「すると、お巡りさんが、別室で、全て事情は、伺いました。
そういうこともあるんですね」
 
どういう話をしたのだろうか。
 
わからないけれど、とにかく母を連れて帰らなければならない。
 
なんか、今、この警察署は、事件があったとかで、
森閑としている。
 
二人を前にして、色々と諭してみても、声がこだまするだけのような気がする
 
空気の読めない父は、
母に
「もう勝手に家を飛び出しちゃいけないよ」なんて蒸し返すような事を言っている。
 
すると、母は
「怖いから、逃げてきたんじゃない。家にはいられない」と言い出す。
 
こんな話、延々と続けられちゃ、警察だって迷惑な話だ。
 
母には、「ちょっとの電話が待てなかったの?」と考えさせている間に
父には、母に謝るように促す。
 
こんな時に理屈で、説得しようとする父。
 
父の理屈は、わかるが、
理屈の通じない相手に、頭からガミガミ言ったところで、怖がるばかりだ。
 
小人の家に大男がやって来て、頭ごなしにしかりつけ、解らないなら実力行使だとばかりに
部屋のものを散らかし始めたら、おびえるに決まっているだろう。
 
ホビットガンダルフに立ち向かっているようなものだもの。
一旦は矛先を収めて貰わなくちゃ。
 
ビビった母がトイレに逃げ込んだところで、父に
とにかく夜は、怒るようなことは、しない。
ご飯を食べたら、すぐ寝たらいいじゃないか。気になることがあったら朝やったらいいと
言い、警察の皆様にお礼を言って帰ってきた。