母と行く府中郷土の森
相も変わらず、家に行くと
母は、意地でも起きない様子を決めている。
夫のお母さんも午前中は、寝ていると言うから高齢になれば普通のことなのかとも思うが、父は規則正しい生活をしないと体が弱ると心配をする。
しばらく起こそうと試みたが父が諦めて、取り込んだ洗濯物を持って来たので、
私はせっせと畳み
新聞も二人で整理し始める。
もうお薬がないとのことで、なんとかして母を起こさねば
しかし、そういう私は、このところの疲れが出ているのか、
背中が痛くて
母を元気づける材料がない。
何をしたら、母が起きだしたのか解らないが、むくっと起き上がった。
そうだ。父の友達が亡くなったとか、確定申告の話とか
何かが母のアンテナにひっかかったのだろう。
起きて来た。
起きるなり、
「ねえ、そこのタオル。随分きれいに畳んであるけれどあなたが
畳んだのでしょう」
すごい観察力。
そして起きようとして、
「ああ、めまいがするわ。なんかこうこみ上げるものがあって、気持ち悪いのよ」
と下を向き
「父様が新聞とか書類を広げて、私を転ばせようとしている。
どけてよ。それをどけて早くどこかに行って」
うーん。トイレに行きたいのかな。
床に広げた新聞とか、書類を片付けて何とかトイレに行ってもらうと
もうすっかり元気で
父が用意した朝食を食べて、出かけると言い出す。
時間を見ると、１１時半。
なんとか病院に間に合いそうなので、食べたばかりだけれど、なんかおいしいものを食べようと連れ出す。
病院には、１月の初めに行ったきり。
よくお薬が持ったねと言われ、それでも元気そうで、
母は、
「来るときに二人で歌を歌いながら来たんですよ」なんて調子よく話している。
ドクター「何の歌を歌ってきたの？」
母「雨のち～♪ハレルヤー♪って歌ありますでしょう。あれです」
私「朝ドラの主題歌です」
ドクター「朝は何時に起きるの？」
母「８時にはいつも起きています」
私「起こさなければずっと寝ています。それに食事もしないのです。
デイサービスに行けば完食するみたいなのですが」
ドクター「そりゃあそうだよね。そっちの方がいいよね。お友達もいるしね
うちじゃあつまらないよね。つまらなければ、食事もする気が怒らないよね」
で、頭がクラクラするのも、めまいがするのも、血圧が高くなければ大丈夫のようで
母の自己防衛のようです。
そんな訳で調剤薬局で薬をもらってから
梅を観に行く事にしました。
今度は、
府中郷土の森、ここは、デイサービスでよく行くのですが、連絡帳を見ると
雪のせいか行っていないみたいなので、行く事としました。
でも、私は、お腹が空いて
花より団子状態なのですが、
母は、お腹が空いていないの一点張りなので、
取りあえず、観梅
しかし、１３時も過ぎると
お腹の空きと背中の痛みがマックスで、手すりをさぐりさぐり歩く状態になってしまったので、
園内のうどん屋さんに
入ることにしました。
母はお腹が空いていないというので、おでんに。
「おでん、４００円は、高い」と言っていましたが、来てみたら沢山入っていて
上機嫌。完食いたしました。
うどん屋さんで、背中に湿布も貼って元気になった私たちは、奥の梅林に
色々の施設からも来ているようで、グループの姿がチラホラ
母は、
「みんなで来るのもいいけれど、個人的に来るとゆっくり見られていいわあ」と
こちらへの配慮も忘れません。
あわてて来たのでカメラを持ってくるのを忘れたので
携帯で撮りましたが、
母がまたも私を撮ってくれると言うので
お願いしてみると
カシャと言う前に動かしてしまうのでこんな写真に。
でも次に、音がしても動かさないでと頼むと上手に撮ってくれました。
私の方が、目が悪い分へたくそです。
が、とにかく梅を観るのもいいのですが、子供がいると必ずひっかかります。
必ず「女の子？」と
聞きます。
あきらかに男の子に見えてもそう聞くのです。
そして
「あんまり可愛らしいから、女の子かと思ったわ」と褒めまくります。
どこからそんなに褒め言葉が出て来るのか不思議なくらいです。
時には抱っこもさせてもらって。
園内をぐるっと回って
「ここなんて言ったっけ？みんなに教えてあげるから」と言いますので
「郷土の森」と答えますと
「森なんておこがましいわね。それほどないんじゃないの」
まあ、そうですが・・・。
そしてお団子も食べて
お雛様も見て帰ることにしました。
家に着いたら、
「夕食も食べに行かない？」と誘われましたが
食べに行ったら
父がせっかく作った昆布と大根の煮込みが
無駄になってしまいますし、
一緒に食べたら
母が遠慮して食べなくなってしまうのが
目に見えているので辞退して
帰りました。
母はデイサービスがお休みだと
父が勝手に断ったと思って機嫌が悪いようです。
難しいです。
