matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

母の介護する目からみた納骨式

もう一つの納骨式
 
介護をする側にとって
こういう正式な式に連れて行くと言うことは
どういうことか、
 
果たして介護度3になってしまった親を連れて行く介護者がどれくらいいるのか。
カラダは元気だが、
二時間ほどかかる車の移動は、いかがなものか。
説明もなく連れて行ってパニックにならないものか
 
色々悩みました。
電車の移動も考えましたが、夫が車の運転をすると申し出てくれたので
ありがたくお願いすることにしました。
その際、最初、夫も式に出席してくれると言いましたが、
母の状態を理解していないので、一緒に出たら、
母のお世話が大変で帰りの運転が出来なくなってしまうと困るので
運転だけにしてもらいました。
 
式の前に、美容院と服の確認だけは済ませておきたかったのですが、色々と野暮用が入って
美容院もカットだけになってしまいました。
 
さて当日、実家に着くと、母は着替えていませんが、
服はちゃんと用意してあります。
こういうところは、さすがです。ただし、冬の装いなのです。
私は自分の黒のブラウスを持参しましたが、
こういう時にかぎって、黒のパンツもスカートもありません。
しかたなく黒のワンピースを着せて、ネックレスを探しましたが
またまた見つかりません。 いつもは、ネックレスも持参して貸すのですが、
うっかりしました。
長ーいパールのネックレスを見付けましたが、案の定、
式で、それちょっと違うんじゃないの?と言われましたが、
本人が良ければいいと言うことで、ご勘弁を。
黒いストッキングを履かせると、
「これじゃあ、靴がブカブカで歩けない」と言うので黒っぽい靴下を探して履かせます。
これは、現地で母が
「なんでこんな靴下履かせたのよ。恥ずかしいじゃないの」と言いましたが
「大丈夫。年を取ったら、なんでもありなの。歩きやすいのが一番」
と変な説得をしました。
 
 
顔を洗い、歯を磨いて髪を梳いたら、出来た出来たと玄関に向かってしまい化粧がまだです。
 
父は、最初一緒に行くと言ってましたが、遠いので、お留守番をすると言い
夫に心づけを渡そうとウロウロしています。
どうやら、夫はどこかに散歩に行ってしまったようです。
 
母は、何のために出かけるのか解らず、玄関に行ったものの、
「どこに行くのだっけ?」戻ってきてしまいます。
説明すると、数珠がないけどと言います。
渡すと、次は、ハンカチ、お財布などなど、玄関とリビングを行ったり来たり
父も夫を探して行ったり来たり
母の持ち物を手渡されて、私のバックにすべて入れます。
 
さて出発してからは、本当は母の隣で、本日の行事の説明やら
飽きないように、景色の説明をしたかったのですが、夫がナビをしろというので
ナビを見たり、交通情報を聞いたり、なんか忙しいです。
説明が十分できなかったので、母は、呆けた顔をしています。
 
さて現地に着いたと思ったら、お墓がありません。
夫が現地を電話番号でナビを登録していたので、違うところに来てしまいました。
15分のロスタイム。
30分前に着くはずが、ぴったりの時間
母には、心づもりが出来てないので、とても可哀想です。
時々呪文のように、納骨式だと母の耳のそばで言っておきます。
 
誰がどこにいるか母は解らないものですから、斎場のスタッフに
「どなたでしたっけ?久しぶりですね」なんて挨拶をしている。
 
何とか、親戚一同が集まっているお墓の前に到着。
とにかく一番上なので、お焼香も早く回って来る。
私は、付き添いとはいえ、母は一人でも歩けるので兄弟すべてが終わってからのお焼香
 
一通りのお焼香が済むと、一番下の叔母が気を利かせて、先に建物に戻っているようにと言う。
控室に行き、遺影にお参りを済ませていると、
喪主や遺族が挨拶に見えて、一番上座を勧めてくれる。
 
「お姉さん、スカビちゃんが一緒に来てくれていいね」
 
「そうなの、よく来てくれるのよ」
 
「スカビちゃんが一緒にいると安心でしょ」
 
「まあ、こんな時しか来てくれないけれどね」
 
うっかり私が「あれっ、土曜日も行ったよ」
と言ったものだから
 
「何点数稼ぎしているのよ。ちっとも来ないくせに」
 
「ああ、そうだね。母さまは、毎日忙しいものね。中々会えないね」
セーフ。
 
四番目義叔父 「お義姉さん、年は取ってもマニキュアとかした方がいいですよ」
母「?・・・。」
 
四番目義叔父 「若い時、きれいだったでしょ」
母「???」
 
二番目叔父 「お姉さん、髪ムラサキに染めたらどう? 近所で評判になるよ」
 
四番目叔母 「お姉さん、合唱やっているのよね。最近何を歌っているの?」
 
母、むっとして 「デイサービスのことでしょ。歌うってほど歌っていないわよ」
 
四番目叔母 「でもお姉さんが行かないと合唱できないのよね」
 
母「もう、あんなところはやめるの。ちっとも楽しくないし」
 
私「母ったら、この春は、デイサービスでお花見に何度も行ったんですよ。
  色々な公園に連れて行ってくれるんですよ」
母 うなずく   セーフ 話題変えなくっちゃ
 
四番目叔母 「どこの公園にいったの?」
 
私 「叔母さんもご存じの近くの公園から、レストランの食事つきの花見なんてもあったんですよ。
   もう、うらやましいかぎり」
 
母「スタッフが考えてみんなで行くからね。楽なの」
 
まあ、みんなが適当に話を振ってくれるからいいのか、今回は怒り出さないけれど
でもぼーっとしている。
 
やっと 「あっちに座っている人は誰?」 と言い出した。
二番目叔母の代理の息子くんと
四番目叔父の代理の息子くん。
 
そうだそうだと二番目叔父が四番目叔父の写真を一番上の伯父の遺品を整理していたらみつけたと
持って来たので、それで盛り上がる。
うちの母は、里帰り出産はしていないが、四番目叔母は、里帰り出産をしたので
その写真もあったと見せてくれた。
この時おばあちゃんは、何歳だったのだろうか。60歳過ぎていたのではないだろうか。
えらいなあと感心する。
母は、ちょっとつまらなそう。母の話題に戻すか。
 
とにかく、いつもは、髪を染めて、お化粧もバッチリで参加していたけれど、
今回は、もう82歳なんだし、髪をいじめるのをやめて白髪にしてみようと思ったのだけれど
母が白髪になるのは、みんなイヤなのか、染めたらと言ってくる。
歯は入れ歯ない?とか、
見た目元気なので、きれいにしとかないとみんなショックなのね。
 
まあ、そんな皆様のチェックも終わり、会がお開きになり、帰ることに
夫が「どこか寄る?花のきれいなところでも行く?」と言うので
「取りあえず、ユニクロかなんかで着替えが欲しい」
とお願いして、最寄りの大型ショッピングセンターのユニクロ
 
すぐにお気に入りが見つかり、お着替え
試着室で着てみると、Lでも無理でXLを購入
 
若い人向けだから、胴回りがきついのね。
 
すそ上げもしてもらって、着替えると
顔がみるみる変わって元気になった。
 
シャトレーゼに寄ってアイスも買った。高速に乗ってもSAがないと夫が言うので。
 
高速も出来るだけ、外が見える景色のいいところをお願いした。
 
家に着く30分くらい前に父に電話して、回転ずしに行く事にした。
いつになくいっぱい食べた。
 
母は、機嫌がよくなり、エビとホタテをいっぱい取ってくれた。
お茶の入れ方をちょっと忘れていたが、
レーンからいっぱい、お皿を取ることが出来て良かった。