matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

郵便物を探す私と見守る母

母から電話
「書留が来たんだけれど、私宛だから、一緒に確認してくれる?」
「わかった。そのまま持っていてね」
 
 
電話から二時間ほど過ぎてしまったけれど、ピンポーンと呼び鈴をならす、
「どこに行こうか」と外出の支度をした母が門を開けてくれた。
 
遊びに行くために来たのじゃないことを説明すると
「まあ、大変。そんな大事な事を忘れるなんて私は認知症かもしれない。どこか頭の検査をしてくれるところ、知らないかしらねえ。」
なだめながら部屋にもどし、窓を開けて、ロッカーをきれいに整理しなおしながら探す。
 
あちこちさがしていたら、犬の絵がついたボールペンが出て来た。思わず
「かわいい」と言うと
「あ、それ、みっちゃんにあげて」
「私にとっては、可愛いのも普通のもよくわからなくなっちゃうんだから、混ざらないうちに、喜んでくれる人にもらってもらいたいの」
母様泣かせるねえ、短いサイクルでの理屈はもっともで、感心しちゃうよ。
「あなたは、探し物の仕方がきれいでいい。探す前より、きれいになっているのがいい」
そうなのかなあ。どうも探していると、母のファイルは、日付順でもないし、種類別でもないし、大きさがあっているわけでもないので、探し終えたのか、どうなのかさえわからなくなってしまう。
それでも、右から左、下から上へと探す。
 
おかしなことに私のメガネが出て来た。
私が持っているべき書類も
弟に渡しておいた方がいい書類
父の写真・・・「父に反してきたら?」と私
「今持って行ったら、怒られちゃう。どうして、自分に必要のないものまで持って行っちゃうんだって」
ま、確かに
「じゃ、父がいない時に返しておこうね」
父も怒らなけりゃいいのに、と思っていると、
父が階下からやってきて
「まだ、見つからないの?スカちゃんが来たらすぐ見つかると思ったのに・・・
枕の下見た?」
呆然とする母の前で布団をあげ、ベッドをずらせながら探していく
母様のつらい気持ちなんて、全然わかっていないのだから
すると母が
「もらった覚えがないのに、渡した、渡したと泥棒呼ばわりするのはやめて。
自分の部屋を探してから、ここを探すのが筋ではないか」
と、もらったもらわないで喧嘩になってしまった。
出てくれば一番良かったのだけれど、
大事なものであれば、母はきちんとしまうはずだから、きっと出てくる
出て来なければ再請求するから、
と父に言うと
大事なものを無くしたと言っては、もう死んだ方がいいと言い
ちょっとでかけると、具合の悪い私をおいていって見放されたとくってかかる
と悲観するものだから、
ちょっと長く出かける時は、私が来ている時にして
とお願いして、
興奮さめやらない母を連れてお茶をしに出かけることに。
甘いものを食べたら、気分転換になるかなと思って連れ出したけれど、
ケーキを食べている間中
「嫌いだったら、喧嘩なんてしないわよね。気が許せる間柄だから、つい無理言っちゃうんだけど、父様もわかっているわよね」
って、母の記憶は、どうなっているのだろう。
家に帰るまでの間に話題変えないと、帰れないぞ自分