認知症とはいえ、笑いを取りたい母
久しぶりに母のところに行った。
入口でスタッフにこれまでの父の経過を話していると
奥から
手で合図を送る母
手を洗ってうがいをしてから母のところに行くと
「どこに行っていたのよ。こんなことなら、もう来なくていい」
とおかんむり
「そうなの?お腹が痛くて来られなかったんだよ」
と言うとちょっと同情したのか、デザートを分けてくれようとする。
「痛くて、何も食べられないの」
そう言って話題を変えているうちに
何が母の記憶にヒットしたのか、
野崎参りを歌いだした。
高い声もよく出ているので、
録画しようとするが、なかなかうまく撮れない
都合、4回も歌わせてしまった。
けれど、
よくしたもので、覚えていないんだろうな。
ちっとも嫌がらない。
そのうちにスタッフとダジャレを言い始めた。
記憶はだんだん無くなっているというのに、
人のうけを狙いたいと言う気持ちは
それ以上なのか。
スタッフも乗って
大きな花の陰から「ひょっこりはん」とやった。
すると母
「それって、ただのいないいないバー」でしょ。
毒舌も健在だ。