matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

母と久しぶりの外食

先日、久しぶりに母のところに行ったら
と言っても多分一週間ぶりくらい
ただ父の用事優先なので母をないがしろにしがち
もう母のイライラが空気を伝わってビンビンと私に突き刺さる。

体中からイライラのオーラが湯気のように立っている
しかし、母は常識のある高貴なお姫様であるかのように
背筋を伸ばしたまま、とげのある言葉を発している
最近、このあたりには、田舎者しかいないようだとか
食事の時に、人の会話を妨げるよなことはいかがなものか
外でなにやら騒がしいがどうしてそれに対して誰も何もしないのか、
または、
母に挨拶してくれた人に対して
あなたの奥様はお幸せねとか、それに対して…

誰がこんな回りくどい言い方で気がつくとでも思っているのか
食事は静かにしたい。
食事中に話しかけないでほしい。
挨拶をしてくれた人を他の人が横取りしないでほしい。

それでも気がついてくれたスタッフは、
母の気をそらそうと、お昼何が食べたいですか?
とか、今の旬のものを作りたいのですが、教えて下さいなんて
話しかけるが
他の人の世話もしなきゃいけない訳で
母はイライラし通しだ。
認知症だから解らないと思っているのか、毎回同じ朝食
食べる気が起こらないのか、箸が進まない。

やっとお薬になったところで
母に
編み物どこまで出来た?続きをやろうよと言って
部屋に引き揚げさせた。

でも、慢性的にイライラしているのが解った。

そこで、次に
母を食事に連れて行った。
新しく出来た「梅の花」だ

ランチを注文すると
小さな器に少しづつ出てくる。

豆腐のサラダと峰岡豆腐、茶わん蒸し
母は、ケチねえ。こんなちょっとしかないの?
とペロっと食べた。

次にかごに入ったセットが出て来た。
デザートの羊羹も一緒だったので
フォークがついて来ていた
そこで母は箸を放棄
先ほどの茶わんむしについていたスプーンとフォークで
食べ始めた。
そのうちに
ご飯と汁物が出て来て
ほとんどをスプーンで食べていたが、香の物だけは
箸を使った。

父も一緒だったのだが、
食事のスピードが違って母はかなりゆっくりだ。
店の中がざわついているのも
母の嫌いなもので
認知症になってから見なくてもいいものに目が行く
店内にお琴の演奏が流れているのだが、
それを書き消すくらい、どのグループもおしゃべりに夢中だ。
おいしい食事と久しぶりの再会でみんなテンションが上がっているのだろう。

母の関心を食事に向けなくてはと思っていたら
窓の外にハローウィンを終えた子供たちなのだろうか
屋上の庭で走り回る子供たち
幼稚園前なのか、パンダの子供を観ているような
目が離せなくなってしまうような可愛らしさだ。

母もそれに気がつき、どの子がお転婆だとか、仕切っているだとか
言いながら食事が続けられた。

それでも一緒に行った私と父とはすでに食事が終わってしまっていて
父がトイレに立った途端に
お店の人が
「終わったお皿は片づけますね」って
持って行ってしまった。
母の食べたものも
持っていきやすいように
終わったものは私のところに置いておいたのだが、
母の前にあったものまで持って行ってしまったので
母が
また
なんてお店なの?
と店内に目が移ってしまった。
お薬のお水を言わなくても持って来てくれる気遣いがある店なのだが
こういう時
母のような人は
目の前にあったものを持って行かれると
どれくらい残っていたのか
覚えていないだけに
食事を中断されたと思ってしまうのだろう。
ちょっとお怒りモードをまた窓の外に戻させて
無事食事終了。
私たちが先に頂いたサラダ以外完食。
しかも、まだ食べたそうだったので
こんな風に少量づつだとかなり食事が進むのだなと

施設に帰って、
ほぼ完食を報告すると
「じゃあ、おやつは食べられないかもしれませんね」
って
いえいえ、見事そちらもいつもより多かったですが、
あっと言う間に平らげました。

帰りに
今度カボちゃんを連れてくるね(おしゃべり人形があるといいかなって思って)
と言うと
なんと覚えていたんですよ
あの子はいい子だよね。
ってカボちゃんの口真似をしたんです。
カボちゃんは、いくつかのセリフをしゃべるお人形なのですが、
「あったかいね」とか、「何してあそぶ?」とか
当たり障りのない言葉をしゃべるだけのように私は感じるのですが、
そのセリフが母には心地いいみたいで
私が想像する以上に
印象が良いみたいです。
早く探さなくちゃ。

ちなみにこの日歩いた歩数は、2300歩(家の外だけ)
車移動、車椅子を押しながらの移動は、歩数を稼げませんでした。