matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

入院している母の「幻覚がひどいですか?」と弟はいうけれど

認知症患者の病室なんて幻覚やら妄想やらが
部屋の中を行きかっている状態。
日曜日一日、母のそばに付いていてくれた弟は
母の不安定さに困ったようです。

弟が気にするのは、母が天井をみて
「蝶々が飛んでいる」とか、
「きれいな飾り付けがある」なんて言うことらしい。
また隣の患者さんとご家族のやり取りに母が応対してしまうこと
患者さんが怒られたり、怒ったりすると、すごく興奮するらしく
何度もメールが来ました。

弟は幻覚を見たことがないのだろうか。
私は、おたふくになって40度の高熱を発した時に
それこそ
家中に蛇が見えた。

床にも壁にも蛇がニョロニョロうごめいていて
唯一大丈夫なところが母の膝の上だった。

どんなに沢山いても天井から落ちて来ることもなかったし、私に近づいてくることもなかった。それでも一瞬たりとも蛇に障りたくなくて
母にしがみついていた。
幼稚園の頃の思い出だ。

それに比べれば、母は、病室がとてもきれいな部屋に見えているらしい。
素晴らしい装飾で、置かれているベッドサイドのロッカーもすごく豪華に
見えているのかもしれない。
「うちでも使いたいから値段を調べて来て」
なんて言う。

同室の方々、皆さん90歳以上なんですが、
大腿骨骨幹部疲労骨折
で、入院されている94歳の方は何かの理由でカーテンを引っ張ってしまう
そこで、カーテンが左にあるからいけないのかと
前に入る方と場所を交代致しました。4人部屋なので
前にいた方がレントゲンを撮りに行っている間に替えてしまったのです。
すると
圧迫骨折で入院されている96歳の方が
カーテンとかは問題なかったのですが、テレビを観たいと
言い出した時に
「テレビが見えないよ」
って言いだしました。
どんなに顔をテレビの方に向きを変えても、体が一切左を向きません。
「誰かが押しているんだよ」とか、
「枕がづれた」と言っては
同じ向きになってしまいます。
その上、重い、重いと言ってパジャマを脱ぎたがります。

そんな騒動の中、96歳の方の隣の方が
大腿骨骨折
で、四日前に手術を受けたばかりの94歳の方ですが、
目を覚まして、
「なんで場所を変えたんだ。主治医を呼んでくれ」と言い出しました。
看護師さんが何度説明をしても、
「違う、自分は窓際の場所だった」と言います。
窓際のお二人が入れ替わったので、
元々廊下側だったのよと看護士が説明しますが、主治医を呼んでくれの
一点張り。

三者が見たら滑稽な話なんだろうけれど、こんな感じのことが
延々と続いています。

そこへ行くと天井に変った細工があったり、蝶々が飛んでいるなんて言うのは
誰にも迷惑をかけない。

周りの人も、看護士さんも入院に慣れるまでは、
誰でも混乱するからと多目に見てくれています。

お隣も偶然ながら変わったので、静かすぎてご家族が困るような方になったので
大丈夫そう。
それでも斜向かいとなった騒動の持ち主は、
耳が遠いらしいので、声はどうしても大きくなってしまう。
でも私が想像していたより、ずっと混乱のない病室のような気がする。

母は幻覚より妄想の方が
ひどくなっている。
昨日は、行くなり
「あなたどこに行っていたのよ。私をいつまで一人で置いておくつもり?」
と怒っていた。
「じゃあ、これを畳んで。タクシーを呼んで映画でも観に行きましょう」って
これが何回繰り返されたことだろうか。