matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

利用者さんになつかれる

母が映画を観たいと言うので
109二子玉川に「リトルプリンス」を観に行った。


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解説

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる不朽の名作小説「星の王子さま」を長編アニメーション映画化。
現代を生きる少女を新たに主人公として設定し、原作の飛行士が
老人となって登場。原作の物語を語りながら、原作のその後も描く作品になっている。
新しく引っ越した家の隣に住む老人が気になる9歳の女の子。若い頃飛行機乗りだったという老人は、昼間は飛行機を修理し、夜は望遠鏡で空を眺めて暮らしていた。2人は仲良くなり、女の子は老人から、砂漠で出会った星の王子さまの話を聞かせてもらう。しかし、やがて老人は病に倒れてしまい、女の子は老人が会いたがっている星の王子さまを探すため、オンボロ飛行機に乗って空に旅立つ。
映画com.の解説より、一部抜粋


原作を思い出させながら、ああ、こんないい話だったなとか、
知らず、知らずのうちに忘れていた大事な事を思い出させてくれる。きつねの話にうなずき、蛇の話にぞくっとしてバラに
王子様が心が傾いていくのを切なく思う。
映画館で隣を見ると、いつもより集中している母。画面に反応している。

母は、足がしっかりしているので、劇場に入るのも問題なく
映画の後は、頭がよく働いたのか、トイレの後、方向が解らなくなり手間取って遅くなった私をちゃんと映画スクリーンの出口と映画館の出口の間で
待っていてくれた。
「ありがとう」って手を振ると、
「ここにいれば間違いないと思っていたのよ」って
頭の機能がちょっといいせいか、暗くなった町の明かりを見て
「これからどこに行くの?」
って、ああ、大変
施設に行く言い訳を…
「なんか夕食が出来ているって言われたから、ちょっと寄るね」
車の中でしばらくリトルプリンスのチラシを握りしめていた母
だったが、渋滞に巻き込まれ始めると
もうそっちの話題ばかりになる。

施設に着くと、もうすっかり何を観て来たかわからない。
まあ、頭の中のどこかにしまわれたことにしよう。
みんなが集まって来て、たわいもない話をする。
母は、私の娘の事を心配しながらも、私が帰えってしまうことを
心配していそうなので、中々お暇出来ない。
やっとトイレに立ったので、スタッフに挨拶して帰ろうとすると
Oさんがついて来た。
そういえば、何故か私の隣に座って、いつもより饒舌だった。
そうは言っても、ご家族の方の顔ももう解らず、会話も中々成立しないのだが、いつになく、
「ねえ、そのバックいいわね」
私「そうですか?ありがとうございます」
O「私も欲しいのよね」
私「へえ、母もちょうど欲しいって言っていたので作りましょうか?」
O「そうなの」
母「ダメよ。そんな事言ったら、みんなのを作る羽目になるわよ」
O「そうお」
私「あ、でも今度生地持って来ましょうね」
母「それより、この人、さっきからしゃっくりしているわよ
  ワッ、止まらない?」
私「寒くて横隔膜がけいれんしているのかもしれないわね」
って背中を撫でて温めてあげた。

そんないきさつがあったせいか、帰ろうとする私に
Oさんがくっついて来た。
ぴったり寄り添うので、スタッフさんが、飛んできて
「じゃあ、お見送りしましょうね」って
「ごめんなさいね。またね」って帰って来ましたが、
リトルプリンスをみた後だけに
Oさんになつかれてしまったのかなとちょっと思ってしまった。

大勢の利用者のうちの一人だったOさん、
大勢訪問するうちの一人だった私をちょっと認識してくれたのかな。