利用者さん同士の会話のパターン
どういう訳か
母たちのグループホームに出演の依頼が来たと言う
お祭りで歌を歌うと言う
それを知ってか知らずか
どうも二日ほど前から母は部屋から歌集を持ち出して
利用者さんと歌を歌い始めたと言う
母の本日の予定をお聞きするとおやつの前にギター伴奏で歌の時間があるとのことで
朝ご飯が終わった頃、行ってみると
三人ほどで食後のお茶を楽しんでいる。
Iちゃんは、相変わらず、すぐに私を見つけて
手を振ってくれるが
母はこちらを見ようともしない。
一人のスタッフが
『あらあ、今日はどうしたのかしら。来ているのが解らないのかな』
すると他のスタッフが一子さんには、昼食の献立を書いてもらっていますので
待っていて下さいね
書き終わったのを見せてもらうときれいな字で書いて
自分のサインまで書いてある。
私がそばに行って、歌詞カードを作ってきたの
と言うと、さっそく歌いだす。
まずは、『ふるさと』
母が『子供のころ、この歌をうさぎおいしいと勘違いして、
恐ろしい歌だって泣き出した子がいたのよ』と言ったが
スタッフならいざ知らず、
利用者さんは、無反応
母は手をかえ、品を替え、みんなを笑わそうとするが、受けない。
それより、みんなは、歌が歌いたいみたいだ。
小一時間、『ふるさと』+何曲か歌った。
二番まで歌いたい人
取り敢えず、何が何でも理由が通らなくても帳尻を合わせたがる人
そのうち、一人が
雨宮さん『何年やっているんですか?』と聞いて来た
取り敢えず
『11年』と答えたら、
雨宮さん『そんなことはない。もっと長いはず』
私 『そうなんですか?』
Iさん『それは、ようございました。』
母 『Iさん、何を言っているの?解って行っているの?』
Iさん『Iさんて、呼ばれるのはイヤなんです。キヨちゃんと呼んでください』
私 『はーい。では、キーヨちゃん!』
母 『なんで苗字を呼ばれるとイヤなの? 家庭で嫌な事があったの?』
雨宮さん『お父さんに聞いてみないと解りません。お父さんは局長さんなんですから』
母 『お父さんて、稲垣さとしさんでしょ。あなた、そう言いましたよ』
雨宮さん『あら、そうだったかしら。聞いてみなくちゃ解らないわ』
母 『ねえ、そう言ったわよね。Iさん。あら、やだ、人の手を舐めないでくださる?犬じゃないんだから』
もう、カオス
こうやって、書くと母が一番まともそうだけれど、『ふるさと』を歌って
何曲か他の唄を歌うと、
『あら、こんなところに歌詞カードがあったわ。昔ね、ウサギ…』
それを無視して他の人が歌を歌うパターンだったんだけれど、歌い疲れたのか、
なんだかわからない話がはじまってしまった
と言う訳だ。
どうやって収拾するの?って思ったら
母が『散歩に行きましょ』
だって。
一時間半くらい散歩に行って帰って来ると
またまだマダムたちが、あなたもこちらに座りなさいと
仲間に入れてくれようとするので、
「みなさん、お昼ごはんを召し上がっていて下さい。私は郵便局に行って来ます」
と言って帰って来た。