matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

食べることを忘れる?

母の誕生会に行った時

みんなはすでに食事を終えて、テレビでラグビーを観戦中
ところが
Oさんがまだ昼ごはんの真っ最中
母の誕生日とのことで
みんなでお寿司を取って食べていたようだ
ところが、Oさんが食べないので
スタッフはチラシ風にしたり悪戦苦闘

そういえば、外出プログラムでも
コース料理の途中から、お皿とナフキンと料理がゴチャゴチャになっていた。

さて、ケーキも切り分け、みんなで紅茶とケーキでおやつタイム

Oさんが誕生日の時は、母が
「そうやって食べ物で遊んでいるなら、食べちゃうわよ」って
食べてしまった。

今回も目の前に出されたケーキに手をつけない。
「フォークを持って食べるといいわよ」と言うと
「そうなの?誰が決めたの?」なんて言っている。
スタッフも小分けにして食べさせようとしたが食べないのでスプーンを探しに行った。
ジェスチャーをしながら、フォークを持たせて、手を添え
口にまで持って行く
何度やっても
お皿についている絵の方に気がいってしまうようで、フォークで
こすり取ろうとしている。
汚れだと思っているのだろうか?
食べようとゴシゴシと思ってこすっているのだろうか?
リチャード・ジノリのイタリアンフルーツシリーズのお皿なので
お皿に描かれた絵のフルーツを
食べようとしているのか?
高級品なので、ハラハラドキドキ
「フォークは、こっちに刺した方がおいしいと思うわ」と言うと
「そうかしら」と不審げ
それでも
「食べてみて」とフォークで刺したものを口に持って行くと
恐る恐るだが、やっと食べてくれた。
一口食べたらしめたもの
次々に小さくカットして食べ始めた。
しかもスポンジにフルーツをうまく刺して
上手な食べ方だ。
あと二口くらいのところでスタッフがスプーンを持って現れ
「ああ、うまく食べれたみたいですね」って、しまいに行った。

そうこうしていたら、
食べ終わっている三人がお皿とティーカップ、ソーサーを重ねはじめた。
うわ、誰が、この五重の塔みたいに重ねた食器を持って行くの?
と心配になって、
ティーカップは私が持ちます」
と持って行ったら、雨宮さんがさみしそうに
「私の食べたものは、私が持って行きたいです」とおっしゃられた。
残っていたティーカップのセットをお渡しすると
洗い場に持って行った。

一方のOさんは、紅茶をケーキ皿にフォークで移している。
そこで、
「紅茶は、飲まれた方がのどがすっきりしますよ」と言いますと
「あら、そうだったの?これでいいんじゃない?」って
これも僭越ながら、お口に持って行って、飲むように仕向けたら
やっと飲んで下さった。

はあーと胸をなでおろして、洗い場の方を見やると
雨宮さんが一生懸命、皆さんの食器を洗っているところ。
スタッフの人も目の端で確認してやりたいようにさせているんだろうけれど
貧乏性の私は、
雨宮さんが何でゴシゴシ洗っているのかちょっと気になった。
でも形あるもの、いつかは壊れ汚れていくもの。
高級品だからって飾っているより、いいのかもしれない。
後で聞いたら、誕生日だけに出す食器だったと言うことだ。

ボランティアで誕生会にもよく呼ばれるが
どうせ解らないからと、割れないお皿で出す施設や、食べられないケーキで
電池じかけのろうそくを吹かせる施設もあるなか、
こんな贅沢をさせてくれるこの施設の気持ちはありがたい。

ところでOさんは、どこで、ケーキを食べ物と判断してくれたのだろうか?
匂いなのかな?
わずかなところで直接口にはつけなかったが、
解ってくれてうれしい。