matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

高齢者徘徊に関する報道を見ての過剰反応

夫がやけに早く帰って来た。
いつも遅い娘を待っているのもなんなので、映画でも観に行かないかとのこと。
早く行けば、8時過ぎには、帰って来られるとも。
そんな訳で急いで支度をして映画館へ
 
行く途中からメールが多かった。
一応、娘にもメールで、連絡したが、始まるギリギリくらいの時間だったので、ちょっと心配だった。
案の定と言うか、始まって間もなく携帯のバイブが。
いつもだったら、切ってしまっていたが、時間的なものかバイブになっていた。
二度、三度
変だ。
外に出て確認
父からの電話とお隣からのメール、義理の妹からのメールで
母がいなくなったとのこと。
 
さっそく父に電話をしてすぐに行くからと伝え、夫にもそう言い残して実家へ
世田谷迷路なので、どう探したものか、考えをめぐらせて、
遅くなった時のことも考えて、娘たちにも経過報告
 
電車で向かったので、最寄り駅からタクシー
タクシーの中でも母が歩いていたら、すぐに飛び降りようと目を凝らして
外を見つめる。
 
母は、絶対に自分からは外にでるような人ではない。
自分から外に出たのは、認知症になったばかりの頃(7年くらいまえかな)
 
・母の妹に美容院に行かれないのだから、髪の毛を切ってあげると言われ       
それに恐れをなして、美容院まで行ってしまったこと。
(しかもいきつけの美容院で、一人で行って一人で帰って来た)
帯状疱疹で入院していた時に隣りの部屋の人のうめき声が恐ろしくて        
病院のバス停に一人で行ってしまったこと。
・箱根に家族旅行をした時に、夫が孫と一緒に帰りたくてバスで帰るようにと言った時
ガラスの森美術館で別れたのに、湯本の駅で会ってしまって
(夫は無邪気にしょっちゅうメールして来たので会うのも当然だったのかもしれないが)
母は疎外感を感じたのか、箱根の街を逃走。
娘たちに父を見て貰って、私は母を追いかけまわった。
 
細かい逃走を除けば7年の間にそれくらいだった。
だから、母が徘徊なんて考えられなかった。むしろするとすれば逃走だろう。
だったら、どこに行くか?
交番か、駅か、子供たちの住まいか。歩いて行ったところだろう。
そんなことを考えながら実家についた。
家の前には、自転車が二台とバイク
門は開けっ放し。
すると玄関で大きな声
弟のお嫁さんとお巡りさんが玄関の前
中には、父と母。
 
聞いてみると、玄関の騒ぎで二階で寝ていた母が目を覚まし
トイレに降りて来たところだったそうだ。
とにかく見つかったと言うことで、お巡りさんにお礼を言って父に経過を聞く。
父は、「どうして靴がなかったの?」とか、
「なんで二階で寝ていたの?」とか、
今更ながらのことを聞いている。
母には、外に出た記憶もなく行く気もなかったようなので、刺激することを
恐れて、部屋の中に入ってもらう。お嫁さんはお隣さんに報告とお礼をしに行った。
 
案の定、父と母は夕ご飯を食べないことでけんかをしたらしい。
母がそんなことでうるさく言われるのは、たまらないから離婚をすると言い残して部屋を出て行ったらしい。
父がしばらくして玄関に行くと、母の靴がない。
きっと家を出ていったのだ
認知症になると徘徊するとテレビで言っていたしと
自転車で近所を探し回ると母と同じカーディガンの女の人がいて
その人を追いかけて何回か角を回りながら追いついたところ違う人だった。
これは世間で言うところの徘徊だと思い、大変と大騒ぎに。
 
玄関に靴がなかったからと父は何度も言ったが、
母は、認知症の人には珍しいのか、きれいずき
靴もきれいにしまってあった。
一昨年の暮れも靴を整理しようとして玄関の三和土に転げ落ち
肩を骨折しているくらいだ。
着た服もきれいに畳んだり、ハンガーにつるしてしまう。
デイサービスから帰って来る前と同じ状態になってしまう。
ただ、しまう場所が決まっていない。と言うかわからなくなってしまってもどこかにしまってしまう
それが物を無くすという結果になってしまうのだが、大騒ぎをしなければ
大抵は出て来る。
認知症の母と暮らしている父はとても大変なのは、わかる。
これからは、そこを工夫して暮らそうねと言ったが
大丈夫かな。
 
ようやく落ち着いて来て弟からの再三の電話にも返事が出来たところで
夫から電話。
映画が終わったけれど、カギがないので帰れないと
あわてて駆け付けてくれていた娘に事情を話すと映画館に送ってくれるというので、
もう少ししたら収拾がつくので、食事して待っていてと言ったはずだったが、
家に着いたとき、夫が
「夕飯どうするのよ」だって。
 
二人の娘、一人は、駆けつける時に車で食べてくれていたし
もう一人は、見つかった時点で一人で食事を取ってくれていた。
残り物で食事を取った夫が
「一緒に食事をしようと思ったのになあ」って
こんな時にロマンチストなのか?