matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

母がショートから帰って来た。

初めて母がシートスティをしたのは、
一年前のことだったと思う。
父が急に入院することとなり
ケアマネさんに受け入れてもらえる施設を探してもらった時のことだった。
 
あのころはまだ、よく解っていたんだろうなと思う。
入所を嫌がり、
スティ先でも前半は泣き暮らし、後半になってやっと考え方を変えたようだった。
連れて帰る時も
「どうして自分はここにいたのか」と疑問を持ち
納得の行く答えを見付けようとしていた。
 
それがいつの間にか
ショートに行っていることさえ解らなくなり、
送迎バスで送って貰った時に
大荷物があるのを見て
泊まったのかもしれないと思ったみたいだ。
でも「一回だけよね」と
私に念を押すので
「そうだよ。一回だけだよ。どうだった。楽しかった?」と聞いてみた。
「そうねえ、いつもと変わらないよ。ちょっと泊まっただけ」
なんとか答えを合わせている。
父にも、「楽しかった?とか疲れていない?」くらいしか聞いちゃだめだよ」と言ってあったのに・・・。
 
最初は良かった
「お疲れさん」とか、「楽しかった?」とか、聞いていたのに、
テレビは観た?」とか、「どこに行ったの?」から始まって
「お風呂には入ったの?」と言い出し
「何泊したんだっけ?」
で、母が
「何よ。一回だけって言っているでしょ。主婦がそんなに家を留守に出来ないでしょ」
「カレンダーを見たらいいよ。今日は何日だ?」
 
「一回よ。一回。そんなに泊まっていないから家は大丈夫よ」
われながらなんて説明だ。
と言いながら父に合図。
 
父が
「いない間に●黒屋から電話があったんだけど、しつこいんだよ。何もないって言っているのに
電話には出ちゃだめだよ」
察しのいい母が
「セールスの電話なんて相手にしないから大丈夫よ」と言ったのに
心配なのか、
「電話には出ちゃだめだ」と言い出した。これがしつこい。
ついには、
「娘からの電話にも出ちゃいけないって言うの?」
こんな話でまたまた母を興奮させ
やっと収まったところで食事を始めたのだが、
食事の遅い母に
「もう食べないのか?これは、食べかけなのか?片づけたいから早く食べろ」
とまくしたてる。
母が怒りだし、食事のことであれこれ言うのは父だけ
「スカビちゃんもダンナさまは、そんなことないでしょ」と言う
うちのダンナもゆっくり食べていると父と同じようなことを言っておかずも食事も
食べられてしまう。
だから旅行の時とかひやひやもの。
 
ついには、一緒に食事をしたくないと言い出し、父を部屋から追い出してしまった。
「父さんは、母さんと話がしたいだけなんだけれど、話が下手だからね、
悪気はないんだよ」
と、言ったが
「何年一緒にいると思っているのよ。いい加減、こっちの気持ちをくみ取ってもいいんじゃないの。
優しさが足りないのよ」
たしかにね。直すべきなのは、母さんだと思っているから
歩み寄らない。
 
認知症でいいなと思うのは、嫌だったら嫌だって言えること。
昔の母は、食事の時は、ひたすらお給仕に回っていた。
食べたいものも食べられなかったかもしれない。
自分も気をつけようと思う。
 
父を追い出したところで、母にはゆっくり食事をしてもらう。
私は、母が持ち帰った荷物を確認してみると、
洗濯物はビニール袋に、洗濯されたものはきれいに畳んである。
それを次回使うものと、たんすにしまうものとに分ける。
 
母がそれを見て
「あんたは、きれいに服を畳むねえ」と言う。
帰ってきたばかりの時も、きれいにベッド周りに畳んであった服をみてそう言っていたが
それは、弟がやってくれたもの。
チラっとは、言ったのだが、混乱してしまったようなので、
私の手柄になってしまった。
ショートスティのスタッフの皆さんありがとうございます。
私が助かります。
本当は母にもやらせた方が良いのでしょう。
よくやった実感がないと言いますので、時間がある時にゆっくりと衣装替えでも
一緒にしようかと思います。
 
母の気持ちが落ち着いた頃を見計らって帰って来た。
ちゃんと覚えているのは、孫のことで、帰るときにちゃんとメールをするように言う。
「連絡が取れたから帰るね」と言って帰って来た。