matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

91歳父走る冬の 俳句大会

もう昨年からなんだが、
父が
NHKの平成25年度NHK全国俳句大会に行きたいと言う。
 
招待状、と言ってもハガキなのだが、来ていて2名まで入れるので
ついて来てほしいと言う。
でも二人しか入れないから母さまは、置いて行く
 
なんで付き添いが必要なんだろう。名前でも呼ばれるのかな?
会場で移動することがあって、人手が必要なのかな?
どちらかといえば母をみていなくてはならないのではないかと
ずっと思っていた。
 
9時半には、家に来てもらいたい。
ダンナちゃんに車を出してもらいたい。
 
などなど、忙しいまま概要もわからずに前日を迎えた。
 
わからないまま前日を迎え、ダンナと色々と対策を練ってみたが、
要領を得ない。
 
そこで少ない情報から、ネット検索してみると
11時半開場、13時開演、16時終了。
 
ダンナちゃんから、そんな長い時間車で待っていられないし、
認知症の母さまは、誰がみるのかとの疑問
 
何度尋ねても、一緒に来てくれる人がほしい。母さまは、家でテレビでも
観ていればいい。
なんて答えになっていない答え
 
ダンナは、会場まで30分あれば行かれるから、家を11時に出ればいいじゃないか
とか、昼ごはんはどうするのかと具体的な質問
 
父さま、なんかたくらんでいる様子で答えが曖昧
 
とうとう当日、ダンナからは、最後通牒
そんな訳の解らないところへは、行かれない。助けはないものと思うように。
 
そんな時に父様から、電話。母さまが聞き分けがないからとにかく来てくれ。
父さまの説明じゃ、誰も納得く出来んわ。
と思いながらも
私も腹を決めて、9時に家を出た。
 
電車とタクシーを使って、実家に到着。10時
母には、渋谷にお出かけしようねと言って
支度をさせる。
 
母は、真に受けて、
「二人で出かけるのだから、あなたは家で待っていなさい」と
すでに出かける用意のある父に命令している。
 
父には、「10時半のバスに乗るよ」
と言って戸締りをさせる。
最終チェックをしてバス停に。
 
バスが駅に到着すると 父がいきなり走り出した。
乗るのかと思っていた私鉄の駅も通り過ぎた。
 
私は、母の手を引きながらも、転ばないように道を選ぶ。
父は、歩きなれば道なのか、花屋の店先も花の間を通って行く。
 
やっと追いつくと渋谷行のバスがやって来た。
11時20分発だ。
電車で行けば、30分かからないのに、バスだと約一時間かかる。
渋谷で停車するとNHKスタジオパーク行きのバス停は、すぐ近くだ。
 
また走り出す。
12時15分が出たところだ。
 
次の30分を待つのは、寒いし、すぐに行列ができ初めているので
父がタクシーを止めたが
タクシーの止まってくれたところがバス停のマークの外なので、中々
近くに行かれない。
もたもたしていると他の人が乗ろうとして初めて、近くまで来てくれた。
 
しかし、タクシーで行ったので、30分には、会場到着。
ハガキには、2名とあったが、
どうどうと3名ですと言うと
3人分のチケットをくれた。
 
まあ一件落着。
とにかく中に入れる。
チケットをもらっている間に、母は、パンフレットも何ももらわず、中に
入ってしまう。
母を追いかけて捕まえている間に
父が追い付いて、席はどこ?
まず、確認しようと言う。このあたりも早足。
 
良くない席だったら、すぐに帰ってもいいと前から言っていたのだが、
確認したら、2階席だったが、一番前だった。
これで落ち着くと思ったら、
母はトイレ、父はお弁当を買うと言う。
 
とにかく父に弁当売り場を案内してから
二手に分かれて母をトイレに連れて行く。
 
トイレから戻ると、父が座ってお弁当を食べられる場所を確保している。
時間までお弁当を食べてから
指定席に戻ると
先客が、
「連れがここに座れと言ったので、連れが来るまではここを離れられない」と
いうおばあちゃん。
聞くや、父が場内スタッフを探しだした。 走るなよ
階段が多いし、ウロウロされては、困る。
 
母の手を引いて、ドア近くを探すと他の場内スタッフがいたので、
訳を話すと
彼女たちを説得してくれた。
このおばあちゃんたち、その後も、連れなど現れず、開いた席をウロウロ
休憩時間には、席においてあった知らない人のチラシを持っていったが、
どうなっているの?
 
俳句大会、思ったよりもずっと面白かったです。
さすがに言葉を自由に使いこなす人たちの集まり
話がみんな面白い。
ジュニアの部では、ノンスタイルの二人が盛り上げてくれて、
あっと言う間に休憩時間
 
母はトイレに、父はお土産売り場にそれぞれ、順番に行って
後半。
撰者には、94歳という金子 兜太さんもいらっしゃるし、80歳以上の方たちも
数人いらっしゃるが、
舞台の上は、飲み物もあるようだし、トイレにも行かれるのか、時々退場される方も
いらっしゃるが、会場は、そうもいかないので
休憩時間は、トイレと水分補給が必要。
場内スタッフに帰りのバスに場所も聞きましたが、
ちょっと違うみたい。
 
夕方から雪が降るかもしれないという天気予報の日だった。
この二人を無事家まで送り届けなければいけないので、
終わる5分くらい前に退場することとした。
 
それなのに、やはり母はトイレ?
みんなが出て来る前に会場を出られるでしょうか?
まずは、母を先導してトイレに連れて行き
入口付近をウロウロしている父と合流
出口で今日の大賞の結果を配っている場外スタッフに
再び、バスの場所を聞きますと
スタジオパークの前にあと10数分でくるとのこと
 
父は、さっきのお姉さんの行ったように大通りに出たらバスがあるよと言いましたが
混むであろうバスに二人を座らせたいので、
スタジオパークの前に行きました。
座席を確保したい父は、ここでも走ろうとするので
またまた私が頑張りました。
 
十数人目だったので、無事座れました。
特に父はシルバーシートだったので
座り易いだろうと思っていました。
乗客がかなり乗ったところで
運転手さんが、父の前に来て、
立てという指示。
もう一人の杖をついたおじいさんも立たせようとしています。
「高齢者なのに」と言ったのに、
なんの説明もありません。
車椅子を乗せるために席を畳んでいたみたいですが、
一言欲しかったです。
高齢者より障害者優先だったのですね。
 
私も席を確保していたので、すぐに父に譲りましたが、
もう一人のおじいさん(80代くらい)は、杖をつきながら呆然と
しばらく立っていて
発車する間際に60~70歳くらいの方が譲りましたが、
車椅子の方は、若い方でした。
杖の方は、発車するまで、心配だったのではないでしょうか。
 
それでも来たバスに乗れてよかったねと良い事を考えて
渋谷駅に向かいましたが、
高齢者が沢山道を歩いていて、乗れただけ幸せと考えなくちゃいけないですね。
 
さて渋谷駅の近くになるとまた父が次に乗るバス停付近に目をやって、
「来ているバスに乗るよ」と
言います。
 
カラダがもう前傾姿勢
走っちゃダメ。 と叫びながら横断歩道を渡り、
 
二つ目の信号のところで
「私が走るから、走らないのよ」と叫びながら
最後の横断歩道を渡りました。
行く手をベビーカーに遮られましたが、
同じバスに乗る人かしらと思って向きを変えるのを待っていましたら
父から
「前に行かなくちゃダメだよ。違う列だよ」との指摘
ええっと、ベビーカーを大回りして
やっと目的のバスに乗れました。
ベビーカーの人は、同じバス停の違う行先に行く人だったみたい。
父の方が都内は詳しいわぁ
 
そんなものだから、母だけは座れたけれど、
父は、三軒茶屋までは、立ちっぱなし。
つり革と手すりを両方確保できたので文句は言えません。
 
終点に着いたら、またまた父は
2分で、家までのバスが発車するからとまた駆け出しそうです
 
30分に一本しかないバスですが、
夫からメールで駅に迎えに来ているとのこと
 
父を制止しようとしたら、夫から電話
仕方がないので、
夫の電話を取りながら
「止まれ~。車が迎えに来ている」 と叫びました。
夫の、
「この先どう行ったらいいの?」という声をかぶりましたが
夫の眼には、必死な形相の私も目に入ったらしく
私の真ん前で止まりました。