matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

気弱な母

父が、年を取ってきたせいで母といる時間が疎ましいようだ。
 
例えば、母が
「私、デイサービス行っているかしら?
 こんなにボケちゃってクビにされていない?」
と、聞く
 
父は、
「行っているじゃないか、行ってトイレに何回行ったかとか、
 書かれてくるじゃないか」
 
それを言うかな。紙芝居を観ましたとか、音楽を聞きましたとか、カード作りをしましたとか
言っておけばいいのにと主介護人じゃない私は気楽に考えて相手に合わしておけばと思う。
 
父は、母のエンドレスの質問に答えたくないのだ。
 
「デイサービスに行ってちゃんとみんなとうまくやれているか心配なんだよね
 大丈夫だよ
 具合が悪いとちゃんとデイサービスの方から私に連絡が来るから
 お母さんどこか悪いですかって心配してくれるから
 今度私も遊びに行くからね」
と言うと
 
「何をしたか、誰がいるのか、忘れちゃうのよ。
 もう知っている人なんてみんないなくなちゃったんじゃないかしら」
 
私たちの会話を聞いてなさそうだったのに、父が
「そんなことを言っている割に、どこかのおじいさんと二人で
 写真に撮られてくるんだよ」
 
うーん。これは、デイサービスに
男の人とのツーショットは撮らないでくださいと
希望を言った方がいいのだろうか。
母は誰彼かまわず、お世話をするから、
ついつい男の人の手伝いをしてしまうのだろう。
困ったものだ。
これでまた口げんかが始まる。
 
 
 
しばらくすると父が、
「私の娘のMちゃんは、夏はどこかに旅行に行くのか」
と言うから
「四国に行きたいって言っているよ」
と言うと
「いいねえ、四国もいいけど、厳島神社に行きたいんだよ」
と言うから
「じゃ、一緒に行こうか」
と言うと
 
母が
「行ってらっしゃいよ。私は、どこか施設に泊めてもらうから」
と言うので
「どこか当てがあるの?」
と聞くと
「うん。いつも行っているデイサービスで泊めてくれるんじゃないかしら」
と言う。
「私はお荷物になるし、家で留守番しているのも心配でしょ」
と言う。
 
わかっているのか、いないのか、気味が悪くて話は中断してしまった。