matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

おだやかな母

ありがたいことに
デイサービスからお花見のお誘い
行く日ではないが、お花見の企画をしたから是非にとのこと
 
そんな訳で、ヘルパーさんも予定していないので
送り出しに朝早くから出かけて行ったのだが
丁度実家の前で電気工事
世田谷迷路のまただなか一方通行だらけにあるため
とんでもなく迂回しなくてはならない。
戸建の建設に伴う工事らしく事前の報告もない。
水道工事の時は一つ前の駅前まで戻り、商店街を抜けて行ったが
今回はそうじゃなくて私道のようなところを通れとの指示
ぐるぐる回ったが言われた道はなく時間ばかりが経つ。
イメージ 1祖師谷公園の方まで行ってしまった。
 
行ったり来たりしてあきらめて、ちょっと見つけた駐車場に車を入れて
歩いて来るとデイの送迎車に会ってしまった。
へんな渋滞に巻き込まれているデイサービスの車に
「今、連れて来ますから」
と言って家に向かう
 
大丈夫かな寝巻のまんまじゃなかろうかと心配しながら行くと
ちゃんと着替えた母が玄関まで出迎えてくれた。
 
ただ、冬物はしまってしまったのでコートがないだろうなと思っていたら
案の定
「上に羽織るものがないのよ」と
しかし、デイサービスのお兄さんを見付けると
「車で行くのだから大丈夫ね」とそのまま出かけようとする。
それを引きとめて
ダウンのコートを持って来る。
ホッとしたのか、ハンカチがないとかバッグがないとか言い始めるので
持っていたハンカチを渡し、玄関においてあったバッグを渡して
送り出す。
 
母が行ってしばらくすると銀行の人が挨拶に見えた。
 
母が銀行に行った時に
「担当の方、移動になられたんですよね。新しい方にまだ挨拶していないから
ご挨拶がしたい」
と言ったものだから来てくれた
と思ったら、保健の勧誘みたいでした。
 
基礎控除が(5000万プラス1000万×相続人の数)だったのが3000万プラス600万×相続人)に
かわるかもしれないので終身保険に入っておくと財産が守られるとのこと。
父はそういうのが専門だから
二人でポンポン話が進む。
あと銀行のサービスが受けられるカードを母が頼んでいたらしく、それの説明も受ける
父はそっちもわかるからとパンフレットやら説明書が全部私のものとなってしまった。
 
銀行の人が帰る時に
「お父様お若いですね。70代で十分通りますよ」と言うと
「いやいや、90ですからね。それなりですよ」と返す父
送り出してから
「みんな商売がうまいよ。年寄りには若いと言っておだてるのが一番なんだよ。
悪い気はしないからね。」
 
この頃お金のことばかり言うので、ボケだしたのかと思ったら
相続税の心配をしていたのか、こっちが勉強不足だわと反省。
 
その後も認知症の本を5冊も持ってきて
いいこと書いてあるから読むといいよって。
「どうしたの。こんなに沢山」
 と聞いたら
「図書館に行って機械があるからね。検索したら出て来るんだよ。
レシートもあるから持っていってもいいよ
それで、あなたのところの図書館で探したらいいよ。
あ、でもこの一番大きな本は、いいこと書いてあるから
アマゾンで買えないかなあ。まだ高いかな。
ソフトバンク好調だからスマホを買おうかな」
 
いやあこっちの方がついていけないです。
取りあえず、父がどんなものを呼んでいるのかざっと読んでみた。
「物忘れを防ぐ100のコツ」とか、「認知症ケア」とか
勉強になります。
 
認知症と一言でいうが、
母は父と二人暮らしで生活の一端を担っていて、家計や、料理や、洗濯が出来なくなっているが
もし母が子供の家族と一緒に暮らしていて
隠居生活のような暮らしをしていて
生活に支障がなければ、記憶がとんでしまっても認知症とは言わないそうです。
 
確かに今の母をみていると、家事一般が出来なくなっていて、
父が家事全般をその他母にまつわる色々な事を私がやり、家に関することを弟がして
デイサービスには、ヘルパーさんが来てくれるので、生活が成り立っている。
記憶がとんでしまっても誰も責めないし、みんな母のことをわかっているので
この頃平安だ。
 
少し前に神経科に行って来たが
私が入院していて二週間くらい行かれなかったことをドクターに話ても
動ぜず。
「さびしくなかった?」と聞かれても
「特に何とも感じなかったです」なんて。きっと聞かれた意味も解らなかったみたいだ。
「私の声が元気がないと心配してくれて、来なくてもいいと言ってくれたので助かりました」
と言うと
ドクターが食事は?とか買い物は?と聞くので
「弟がいてくれたので大丈夫です」と言うと
うんうんとうなづいていました。
ドクターと体の話をしてから
「先生、ちゃんとお薬飲んでいるのですが、少しは良くなっているでしょうか?」と尋ねる
ドクターが
「少しはね。良いようだね」と言うと
「先生がそう言ってくれるならうれしいから、喜んで通いますね」と元気に帰って来ました。
病院が終わると夫が待っていてくれて
イメージ 2
松田のハーブ園に。
帰りに薬を取りに薬局に行って帰って来ると
「私、認知症なんでしょ。ちゃんとお薬もらって来てくれた?」
「ええっ?頭がすっきりする薬だよ。」とごまかしてしまったが、
先日ニュースになっていたマウスで成功した
認知症が治る薬
だんだん記憶が戻ってきたら、母はこんなに素直に訊いて来るのだろうか。
色々と画策してややこしいことになってしまわないだろうか。
認知症になる前の方が性格悪かったものね。
 
でも記憶って誰しも自分に都合よく覚えているものだから
記憶ができるようになっても都合の悪い記憶は覚えないかもしれない。