小さな幸せは一瞬にして。
朝、母から電話
「ちょっと今日来られない?」
「うん。今日はちょっと用事があるので行かれないのだけれどなあに?」
「ちょっと声が聴きたくて」
「あらそうなの。ありがとう」
「なにがありがとうなの?」
「だって声が聴きたいって思ってくれたんでしょ。そう思ってくれたのならうれしいなって思って」
「そう?ごめんなさいね。しばらく見ていないから心配で」
「そんなあやまることないよ。誰だって子供の事は心配だものね。
行かれるようになったら行くからね」
「うん。無理しないでね」
ガチャ。
ひゃー、何だろう。こっちが気が弱くなっていたせいか
気持ちが繋がったのか、こっちの大変なのを察知してくれている。
と感動していると 父から電話。
「ねえ、世界一周旅行して来たいから、ちょっと来てよ。
資料が来たんだけれど
僕がいない間、母さんのことをどうしたらいいか相談したいから」
おまいかあ~!!
母を不安にさせて電話させたのは!
朴念仁なんだから!
ヘルパーさんが来た時にうっかり「娘さんお体の具合どうですか?」と
聞いたらしいが、そんなこともちっとも気にしていやしない。
母のためなら行ってもいいけれど
父様、ちょっとは我慢してくれないかのう。年度末はそれでなくても忙しいのだよ。