matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

自分の好きじゃない自分になる

介護施設に行くと
よく利用者さんたちが同じヘアースタイルにされている。

扱いやすい髪型とでもいうのだろうか

母の施設では、色々なことがかなり自由で
まさかそんな事を言われると思っていなかったのだが
最近
行く度に
「髪の毛どうなさるんですか?
ぼさぼさでいやだって言っていますよ」
と言われる。

私にはちっともそんなことは言わない。
むしろ
「男か女か解らない人がいる」とか言って短髪の人のことを
嫌そうに言うことさえある。
思い出してみれば
母は、この施設に入って
初めて、施設で髪を切って貰った時に
生まれて初めて短髪になった。
「男みたいになった」とずっと気にしていた。
それなので、次は
美容院に連れて行って
シャレた髪型にしてもらった。

でも次に会いに行くと
他の利用者さんと同じように撫でつけられて
普通のおばさんに、いやいや普通のおばあさんになってしまった。

それまで化粧気もなかったのに、
行くと化粧をしてくれと言うようになった。

髪も染めない方がいいと言われて
ほとんど真っ白に近くなってきたが
真っ白になったら、
若いころ青ちゃんとよばれたくらい色の白い母は
存在そのものが真っ白な感じ

これで髪の毛を切ってしまったら
みたいになってしまう。

ベタニーは好きだが、
母がベタニーみたいになったら
母も鏡の前に立った時に
「鏡よ、鏡よ、鏡さん、私はいつから男になったの?」
と思ってしまうかもしれない。