matsumushisou’s blog

映画やドラマと日々の生活

水の記憶

暑いのでプールに行くことにした
 
は四十を過ぎてから水泳を始め
マスターズでカナダに行ったと豪語しており
孫たちと夏になると競泳をしていたので
25mを泳ぐのがようやくの私には
とても手に負えない存在で
かねてより、プールを嘱望されていたが
二の足を踏んでいた
 
それでも今回行こうと思い立ったのは、
が夏休みの間におばあちゃんと過ごす日が持ちたいと
言い出したこと
(娘は50mは泳げる)
私の体重が少し減り、家にある水着が着られるかなと
思うこと
の体調を思うと
今行かなくては、行かれなくなってしまうかなと
思うこと
 
娘と二人で強引に家に訪ねて行き、
プールに誘う
母のことはおいおい書くが、認知症を患い
ここのところ、特に記憶がおぼつかない
 
それでもあちこち連れ出すが、体力的には
少なくともプールには入れるだろう
 
最近専用のデイサービスを受けるにつけ
できること、できないことがこっちにもわかるように
なってきたこと
 
プールの用意をさせると
水着、着替え、ゴーグル、帽子、バスタオル、スポーツタオルを
用意する
 
私たちより手際が良い
 
プールに行く途中に上の娘から連絡が入り
彼女も連れて行くためにちょと遠回り
 
すると
今日はなんだか遠かったわね
時間の感覚は、あるみたいだ
 
プールのチケットの買い方
更衣室の使い方は
なんとなく覚えている様子
 
そしてプール
かつての名選手は
私の手に負えるのだろうか
 
取りあえず従来のように50mプール
歩く、歩く、ひたすら歩く
50m歩いたところで
ゴーグルをつけ
勢いをつけ
水に体を浮かす
クロールだ
二、三掻きしたところで
水を飲んでしまったらしい
慌てて足をつく
 
「久しぶりだもんね。だんだんに思い出すよね」
 
その後、は顔を上げたまま
平泳ぎをしては歩き、歩いては平泳ぎを
くりかえしてました
 
一時間ほど
それを繰り返しているうちに
体力の限界に
 
「疲れたから、今度は浅いほうで歩いてみる?」
 
「浅い方じゃ、泳げないから」と
 
そのまま出ることにして
遅いランチを取り
一人家に送り届け
自宅に戻ると
出かけていたから電話
 
「今日はどこへ行ったの
 プールじゃないの
 ドライブだって、言い張っているのだけど」
 
を家に送り届けてから
小一時間
 
水に入った記憶は、どこに